会 員 の 近 況


 No.0007お便り紹介(2024.6.30公開)
松本たかあきさん('18年声楽卒業)


松本たかあきさんは、2018年相愛大学卒業後、渡米、
オペラやミュージカルを中心にアメリカでご活躍です。

  松本たかあきさん(左)

2018年相愛大学を卒業後、マサチューセッツ州のLongy School of Musicに進学し、音楽修士号およびGraduate Performance Diplomaを取得しました。在学中、数多くのオペラで主要な役を務め、2023年に出演したスペイン語オペラ『Maria de Buenos Aires』および『El Amor Brujo』は、アメリカの権威あるThe American Prizeのファイナリストに選出されました(2024年6月30日現在)。また、学外のオペラにも積極的に参加し、ニューハンプシャー州のOpera Northの『椿姫』にゲストアーティストとして出演しました。他にも、G&Sのオペラ『Iolanthe』および『The Pirates of Penzance』において主要キャラクターを演じました。 卒業後はミュージカルに転向し、わずか半年でプロフェッショナルのミュージカル俳優のみが加入できるAEA(Actors’ Equity Association)の会員となりました。数多くのブロードウェイ俳優と共演し、ミュージカル『ターザン』では、ブロードウェイで初代ターザンを演じたJosh Strickland氏が再びターザン役を務めた公演で、ターザンの父親役およびアンサンブルを務めました。 幼少期から学んでいたダンスの技術を活かし、ダンスリーダーやダンスフィーチャードアンサンブルにも選ばれるなど、その多才さを発揮しています。今後もさらなる挑戦と成長を続け、芸術の世界での新たな高みを目指してまいります。

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沙羅の木会より:お便りありがとうございました。
今後ますますのご活躍をお祈り致します。







 No.0006お便り紹介(2016.9.28公開)
中野陽子さん(S52年声楽卒業)


中野陽子さんは、相愛大学卒業後、社会人院生として
大阪教育大学大学院に進学、2016年3月、修士論文
「声楽の健康効果」にて修士号を取得されました。
学会発表し、論叢(大教大院・発達人間学発行)に掲載
される研究の一端を紹介させて頂きます。

  中野陽子さん(左)

声楽が及ぼす心身の健康効果と
生涯学習の関連性について

大阪教育大学大学院健康科学
修了生 中野陽子
(S52相愛大学音楽学部声楽科卒)

目的:健康寿命の認識が浸透し、歌唱で心身の健康増進をはかる中・高齢期の歌唱愛好者は多い。健康寿命とは2000年にWHOが提唱した「日常的・継続的に医療・介護に依存せず、自らの心身で生命を維持し自立した生活ができる生存期間」である。この健康歌唱は、声楽家が音楽療法や医療界の研究に拠り所をおき指導する場合が多かった。しかし、科学的エビデンスに基づき「声楽的発声法・呼吸法と健康の関連」を示した声楽を専門とする者の先行研究は殆どなかった。本研究は、ソプラノ歌手が、声楽が心身に及ぼす効果を調査したものである。 方法:2014年8月から翌年4月まで、声楽指導が健康増進に及ぼす影響が顕著であった4名にインタビューを実施した。次に、彼らへの聴取から得た内容をもとに精神面・身体面の変化を尋ねる質問(20項目)を作成し、声楽教室に通う97名から回答を得た。 結果と考察:インタビュー協力者4名は各々、@)片肺呼吸 A)失声 B)伴侶の喪失 C)超高齢者の独居の問題を抱えていた。声楽開始後、4名の心身は改善傾向を示し、歌唱への新たな動機づけと意欲の上昇があった。これを受け実施したアンケートでは、設問の各項目で好影響の回答分布が確認された。インタビューの4名が感じた効果を、アンケート協力者も同様に感じる結果となった。次に、年代群別に65歳未満・前期高齢者・後期高齢者を比較した。後期高齢者群に、数項目に声楽による健康効果が認められた。Kruskal-Wallis検定では有意差は見られなかった。高齢期の声楽愛好家が、歌に取り組むことで、健康の維持増進をはかり意欲的に社会生活をおくる可能性が示唆された。声楽は、厚生労働省(健康日本21第2次)が推奨する「年齢や能力に応じた知的・文化的学習活動や興味や関心を生かした趣味や稽古ごと」である。声楽は、心身健康に有効であり、人間発達の領域からも自己の内面を身体的・精神的に進化させる生涯学習であると考えられる。

沙羅の木会より:この度はおめでとうございました。
今後ますますのご活躍をお祈り致します。







 No.0005お便り紹介(2012.2.6公開)
渡邉美智子さん(H11年卒業)


ヨーロッパで演奏活動中の、渡邉美智子さんのお便りと写真を
紹介致します。

H11年声楽卒の渡邉美智子です。
2004年からオーストリアのザルツブルクに留学し、音楽
大学を卒業した後も、ヨーロッパで歌手活動をしております。
2011年の東日本大震災で、海外に住む日本人もかなりの
ショックを受け、遠くに住んでいてもできることはないかと、
ザルツブルク在住の学生、卒業生、教授などが集まり、
チャリティコンサートを企画しました。
その他にも、約400通以上の寄付のお願いの手紙を送り、
コンサートの収益と合わせて、2.0026,30ユーロ(約200万円)
の義援金が集まりました。コンサートは、モーツァルトのレクイ
エムを演奏し、現地の教会、オーケストラ、合唱団、指揮者など
の大きな協力を得て、演奏者と客席が一体となるすばらしい
コンサートになりました。
義援金は、親を失った子供たちの心のケア施設“あしなが育英
基金レインボーハウス”建設に役立てていただきたく、寄付させ
ていただきました。そのニュースがザルツブルクの新聞でも
大きく取り上げられました。
また、2011年8月に大阪で妹とチャリティーコンサートをした際
にも、たくさんの方から募金を頂きました。
一日も早い復興を心からお念じ申し上げます。









コンサートの様子と、新聞記事(上)
クリックで拡大します。


沙羅の木会より:素晴らしいお便りとお写真ありがとうございました。







 No.0004お便り紹介(2008.2.10公開)
川端澄代さん(S46年卒業)

保育のお仕事を永年勤めて来られた、川端澄代さん(S46年卒業)
の近況をご紹介します。
川端さんは、今回、本を出版されました。


川端澄代著「子どもの最善の利益」

以下は、川端さんの本の冒頭部分です。
はじめに

 わたしは以前、社会福祉法人成和保育園の副園長として
毎日をすごしておりました。
そんな生活のなか、新聞やテレビで「学級崩壊」という言
葉を聞くたび、幼児教育に携わる一人として胸を痛めてい
ました。学級崩壊の原因の一つに、幼児教育の影響が大き
いと思えてならないからです。
 以前、保育士の専門性に関する対談があり、ある先生が
「保育とは人が人を育てること」と発言されました。わた
しはこの言葉に戸惑いを覚えました。人が人を育てるとい
うが、はたしてわたしはそんな人になっているのか、自信
がなかったのです。
 人とは何かという問いを突き詰めると、わたしは「命の
問題」に行き着くと思います。命こそが人を人たらしめる
のであり、命がなければ機械と同じで、いずれ機械に負け
てしまいます。わたしは現在、命の問題と気づくこと、そ
して想像(創造もそうです)することが、保育士にとって
何よりも大切だと考えています。
 この三点をわたしたちは子どもたちに教育すべきですが
これは逆に「あなたはよく気づく、よく想像(創造)でき
る保育士ですか」と、問われていると受け止めることでも
あります。命を見つめるということは、保育の場で示され
る子どもたちの反応を、子どもから保育士に対して発せら
れる「先生!まともな人間になって、ぼくたちのことをよ
く考えて行動して」という心の叫びだととらえ、心のなか
で「ありがとうございます。またもう一度、みんながうま
くできるように勉強させていただきます」と感謝すること
です。これが命、そして心の教育なのです。
 今の世の中、どうもそのことがないがしろにされていま
す。エスカレートする学級崩壊がその証拠ではないでしょ
うか。
 今こそ、保育の原点を見つめつつ、命の教育に戻るべき
です。命の教育こそ今の教育問題を解決するカギであり、
根本なのだと、わたしは考えます。

本の目次は、 こちらです。
クリックしてご覧下さい。

沙羅の木会より:日本の教育界・保育界への川端さんの熱
い思いが伝わって参りました。大小様々な問題が、教育界
には山積しているこの瞬間にも、子どもたちはどんどん成
長して行きます。一刻も早い改善が必要だと私も感じます。
(ホームページ委員・小西)





 No.0003お便り紹介(2007.12.13公開)
土井智恵子さん(H13年卒業)


  土井智恵子さん

ドイツ留学中の、土井智恵子さんの近況をご紹介します。
土井さんは、2001年に作曲専攻を卒業、翌年専攻科を修了
され、さらに東京音楽大学大学院を首席で修了、現在は、
ドイツ、ハノーファー音楽演劇大学で研鑽を積まれていま
す。日本音楽コンクール入選、第1回山響作曲賞21を受賞、
今年度(第17回)芥川作曲賞にノミネートされるなど、
活発な活動をされています。
芥川作曲賞の記事はこちら←クリックして下さい

また、いずみホールオンライン情報誌「ジュピター」に
土井さんのインタビュー記事が詳しく掲載されています。
こちらをクリックして下さい。

ドイツからのお便りと、写真をご紹介します。

『近況報告を』というお話を頂きまして、今回、こうして
寄稿させて頂けることを大変嬉しく思っております。
ドイツ留学に至るまでの経緯ですが、相愛大学の専攻科を
修了後、二つの公立中学校で非常勤講師をし、東京音楽大
学の大学院に進学しました。
大学院在学中、山響作曲賞に応募してみたところ、幸運な
ことに私の作品を選んで下さり、演奏して頂ける機会に恵
まれました。
書いたオーケストラ作品を公の場で演奏して聴いて頂ける
機会というのは、残念ながらまだまだ稀なことなので本当
に嬉しかったです。そしてこの初演のおかげで芥川作曲賞
にノミネートされることになりました。
やはり本番の日は緊張で固まり、頭が真っ白でボーっとな
っていましたけれど、再演の機会に恵まれ、沢山の方に聴
いていただけたことをとても嬉しく思いました。
今はドイツで生活しておりますが、留学することを決めた
時から一応一通りドイツ語を勉強したものの、やはり始め
たのが遅かったのと、話す機会がほぼゼロに近い状態だっ
たので、初めは全く理解できず、とにかく生きていくのに
必死でした。来る前には住居を探すのに苦労したり、ドイ
ツに来てからはすぐにキャッシュカードを失くしたり、ネ
ットが通じなくなったり・・・大変だったことは列挙に暇
が無いです。
こちらの学校に入ってからは、ドイツ語の資格を取得しな
ければならなかったため、始めの半年〜1年弱は、何より
まずドイツ語の勉強に時間を取られる状態で、作曲との両
立がなかなかうまくいかずに、精神的に辛い時期もありま
した。ようやく最近になって、レッスンでの先生との意思
疎通も、幾分かマシになってきたように思います。まだま
だ満足にはできませんが、ゼミで自作品をプレゼンテーシ
ョンしたり、他の作曲家の分析結果を発表したりしています。
また本当に有難いことに、現代作品の演奏を得意とされて
いる演奏団体「いずみシンフォニエッタ大阪」から委嘱を頂く
ことになりました。以前からこちらの定期演奏会が好きで、
ほぼ皆勤で通っていました。
お客さんも毎回多く、コンサートミストレスの小栗まち絵
先生を始め、地元にゆかりのある演奏家で構成されていて、
毎回とても素晴らしい演奏をされていらっしゃいます。
まさか自分の作品を演奏して下さるなんて思っておりません
でしたので、喜びで一杯な反面、聴衆の皆様に受け入れて
頂けるかどうか、不安でもあります。
この作品については2008年3月15日、いずみホール
で初演される予定です。
ここドイツは自然が豊富で時間も日本よりゆっくり流れて
いるようには感じるものの、既にこちらに来て一年経過し
たという事実に驚いています。この先も何が待ち受けてい
るのか分かりませんが、精進していきたいと思っております。


ハノーファーの街並み(上)


オペラハウス(上)

沙羅の木会より:素晴らしいお便りありがとうございました。
卒業生のご活躍、頼もしく存じます。今後もますます良い
作品をお書き下さい。心より応援しております。




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No.0002古田陽子さん(S43年卒業)
No.0001坂本晴江さん(S16年卒業





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