● 出版のきっかけと目的 保育士・幼稚園教諭養成校では、最低バイエルを終了し、 童謡などの弾き歌いやコードの伴奏づけができることなど が、幼児教育機関への就職試験の準備となります。 しかし、初心者である場合などは特に、在学中の授業時間 内で就職試験の要求レベルに到達することはかなり困難で あり、そこまでマスターできるケースは残念ながら多く ありません。また、経験の有無にかかわらず、拍子やリズム、 音符の名前や長さ、簡単な楽語や記号をよく理解しないまま に、ブルグミュラーやソナチネまで弾き進む学生も少なく ありません。 こうした現状に対応すべく、幼児教育を目指す人のために、 最低限必要な楽譜の知識、読譜法、練習のコツやヒントを 曲ごとにやさしくまとめ、覚える、歌う、弾くを繰り返す うちに、基礎的な技術だけでなく、音楽の総合的な力がつく ことを狙ったテキストを作りました。 バイエル106曲を解析し、短期間で能率よく学べるよう、厳選 した45曲を弾きやすい順に並べ替え、各曲に習得内容を表す キーワードとなるタイトルを付けていす。 また、大人のピアノ学習のコンセプトにありがちな、「知って いる曲で楽しく」というばかりでは、テクニックや読譜、 練習方法などがなかなか身につきにくいものです。 そういった意味では、バイエルは近年増加してきた大人のピア ノ初心学習者の方たちにも適していると言えます。 昨今、様々なバイエル談義がされていますが、歴史をふまえた 機能和声と形式ゆえに、音楽理解の基本を学ぶためには、利用 価値の高いテキストだと考えます。 ピアノのレッスンは予習が前提で、そのための自習力をつける ノウハウを満載している所が本書の特徴です。 |